南の島の不思議な形のダンゴムシ2

前回は八重山諸島に生息するフチゾリネッタイコシビロダンゴムシCubaris sp.を紹介しましたので、今回は沖縄島に生息する変わった形のダンゴムシを紹介します。

イシイコブコシビロダンゴムシHybodillo ishiiiは沖縄島の南部から記録されている体長約2mmの小型種です。土中や石の裏などから見つかります。名前にもあるようにこの種は全身にコブがあり、オカダンゴムシArmadillidium vulgareなどと比べるとかなりごつごつしています。アリの巣から見つかると記述されていることがありますが、見つかる状況的には特に好蟻性だというわけではないように感じます。一般的に珍種と言われているようですが、その小ささから見落とされているだけのようで、真面目に狙って探すとそれなりに見つかります。

イシイコブコシビロダンゴムシ
イシイコブコシビロダンゴムシ(右はシャーペンの芯)

日本には他に近縁種はいませんが、海外には同属の種が生息しているようです。小さすぎて見つかっていないだけで本種あるいは近縁種が琉球列島に広く分布しているのでは?と思い、宮古諸島や与那国島で真面目に探してみましたが、これまでのところ全く見つかっておりません。石垣島などまだ探していない島が多く、またこれまで探した島もしっかり回り切れておらず絶対にいないとは言えないので、我こそはという人にはぜひ探してほしいと思います。