干潟の生物 (リュウキュウコメツキガニ)

怒濤の年末、年度末をなんとか乗り越え、私一人まったりモードとなりましたので、
かなり久々ですがブログ更新です。

ネタはだいぶ前のものですが、シリーズ干潟の生物を。

昨年、名護の東海岸に広がる干潟で撮影したのが下の写真です。
そのままではただの砂になってしまうので、矢印を入れてみました。矢印の先にはゴソゴソうごめく干潟の生き物がいます。

リュウキュウコメツキガニ_01
何かいる

矢印の先の正体は、昨年一部でちょっと話題になったリュウキュウコメツキガニです。
砂地と体の模様が全く一緒なので動いてくれないとなかなかわからないかも。

リュウキュウコメツキガニ_02
正体はこいつ

さて、なぜ話題になったかといいますと、このリュウキュウコメツキガニはこれまで本州、四国、九州に分布するコメツキガニ(Scopimera globosa)とおなじやつだと思われてましたが、最近の研究により琉球列島に生息する個体群については遺伝的・形態的にコメツキガニとは別種であることがわかったのだそうです。そのため新種としてScopimera ryukyuensis Wong, Chan & Shih, 2010 と命名されました。

 
和名についてはまだ仮の名前のようでリュウキュウコメツキガニの後には(仮称)が付くそうですが、名前のとおり琉球列島固有種となり、重要度もグッとアップしたことになります。

 

下の写真はそのご尊顔も麗しいリュウキュウコメツキガニのお食事風景です。ハサミでつまんだ砂を少しずつ口に運び、そのなかの有機物をこし取って食べています。
食べた後の砂の方は、口の上の方に集めて砂団子を作り、ハサミでつまんでポイっと下に。上の写真の足下にたくさん転がっている丸い砂の塊がその砂団子です。
潮が引ききった砂の上には、こうした砂団子が無数に転がっているのも観察できます。

リュウキュウコメツキガニ_03
食事中のようです

食事風景を動画にしてみました。
[quicktime]http://www.erc-oki.co.jp/blog/wp-content/uploads/2011/03/リュウキュウコメツキガニ食事中.mov[/quicktime]